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変型馬蹄型小銭入れのステッチ補修

麻糸のステッチ

本工房では、天然素材を使用する理念のもとステッチ糸に麻糸(ラミー)を使って手縫いを行っています。
ただ、麻糸は化繊の糸に比べると切れやすいものとなります。革が破けたり切れる前にステッチが切れることは革を必要以上に傷めないようにするにはいいことであると思っています。革が破れるようなことになると補修も大変です。
ステッチだけの補修であれば縫い作業だけで済むのでメンテナンスも容易であると考えています。

補修依頼

今回、本工房で作成した小銭入れのステッチが切れたということで補修の依頼をお受けました。普段ズボンのポケットに入れて持ち歩いているということで、擦れやすい蓋の上面の糸が切れてしまったようです。

糸が切れた小銭入れ

ステッチの補修

切れた列の糸をすべて切り取って外してしまいます。

ステッチをすべて切断していきます。革を傷つけないように注意。

糸を切り取ったら、糸を取り除きます。

ついでにコバのメンテナンス。ふのりを塗って磨きます。

コイン投入口もコバのメンテナンスを行います。

補修終了

糸以外にも、コバの磨きなおしなどを行ってから、ステッチの縫い直しを行いました。

切り取ったステッチの部分を縫い直して完成です。
革小物ハンドメイドSwitch.itより購入された製品でステッチが切れたなど、メンテナンスの御用がございましたらまずはお問い合せページよりご連絡ください。

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